May 9, 2013

過去の研究


過去の研究テーマ

博士課程の研究テーマ:ドーパミントランスポーター発現制御因子の解析
ドーパミンという神経伝達物質は運動機能や意欲、報酬・中毒などに重要な物質で、一般に多ければ「快」となり、多すぎれば幻覚などが生じ、少なければ意欲の 低下やパーキンソン病に見られるように運動機能が低下すると考えられています。ドーパミンに関連する生体内の物質としては放出されたドーパミンを受け取る 受容体と、放出したものを回収するドーパミントランスポーター(DAT)などがあり、DATはコカインなどの麻薬が作用する標的でもあります。
ヒトDAT遺伝子の非翻訳領域(タンパク質を作らない部分)上にDNA塩基配列の繰り返し多型(遺伝子上の個人差)が存在しますが、精神疾患やADHDな どの病気の疾患感受性の個人差とこのDAT遺伝子の個人差の間に相関がある(ある病気の人々は、ある遺伝子型を持っている率が高いという傾向がある)とい う報告が多数あるため、それが本当かどうか、本当だとしたらどのようなメカニズムで起きているのかを調べていました。
具体的にはその多型領域を介してDATの量を調節していると考えられるタンパク質で、転写因子のHESRファミリーに注目しそのの機能を解析していました。 HESR(HEYとも言う)ファミリーには、HESR1(HEY1)、HESR2(HEY2)、HESR3(HEYL)の三種類があります。

博士課程まで行っていたこちらの研究は、3本の論文として出版しました(Kanno & Ishiura, J Neurosci Res, 2011; Kanno & Ishiura, Neurosci Lette, 2012; Kanno et al., J Neurosci Res, 2014)

 

学部時代:性行動・母性行動に重要なセロトニン神経投射の解析
学部を過ごした早稲田時代はうつ病などにも重要なセロトニンを放出するセロトニンニューロンの神経投射を詳細に解析していました。神経投射とは神経が脳のある部位から別の部位に伸びて神経どうしを配線・接続することです。ラットを用いて性行動や母性行動に重要なセロトニンの神経回路がどのように脳の中を配線しているかを調べました。(Kanno et al., Neurosci Res, 2009)。指導教員の山内兄人先生から学部時代に受けた教育が、今の私の礎です。

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